イギリス、ドイツを始めとする北海沿岸各国を中心に、欧州における洋上風力発電の導入実績は2016年末には合計3,500基以上12GW以上の規模に達してきました。
一方、日本における洋上風力発電の歴史は浅く、特定地域で実証実験が行われている段階ですが、陸上風力発電の導入可能な適地が限定的な我が国においては、洋上風力発電の導入拡大は不可欠となります。
このような背景の中、2016年には港湾における洋上風力発電の導入円滑化のために港湾法が改正され、公募による長期の港湾区域内の水域占用手続きが明示されました。また、一般海域においても長期の占有を可能とする制度整備のために「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域利用の促進に関する法律案」が2018年3月に閣議決定され、取り組みが進められています。
当社は着床式洋上風力発電施設の建設に関し、基礎構造物設計に必要となるCPT調査等の地盤調査を多目的作業船 「Poseidon-1」 等により実施しており(2017年)大規模ファームの実現に貢献しています。更に2020年頃より本格化する建設工事に対して、基礎構造や風車の製品輸送工事や、特殊作業船を用いた海洋における建設工事を実現していく所存です。また浮体式洋上風力の建設に関しても、曳航や設置工事をこれまでも担ってきており、洋上風力発電建設事業全体におけるキープレイヤーを目指しています。
「Poseidon-1」による海底地盤調査
浮体式洋上風力発電施設の曳航
環境省や経産省は洋上風力以外の海洋再生可能エネルギーとして、潮流発電や海流発電についても実証機レベルの試験に取り組んでいます。当社はこれらの新たな海洋再生可能エネルギーに対しても将来的なビジョンを持ち、実証試験段階から輸送・建設に関する取り組みを進め、この分野の技術発展にも寄与しています。